提出者 :内閣

危険運転致死傷罪に「あおり運転」を想定した規定を新たに追加する改正案です。 「危険運転致傷罪」は、主に「アルコール」や「薬物」の影響下で交通事故を起こしたドライバーや、への処罰を厳罰化することが目的でしたが、それに「あおり運転」が追加されました。

危険運転致死傷罪の対象を拡大

この改正案で追加される行為は次のような行為です。

車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転すること

（改正案２条５号および６号から抜粋）

ちなみに、現行法にはすでに以下の条文があるので、他の車の前方に侵入し通行を除外する「あおり運転」はすでに対象になっていたとも考えられますが、今回の改正では、「停止」にまでその範囲が広げられています。

人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

（第２条４号）

危険運転致死傷罪の罰則

危険運転致死傷罪が、交通事故への厳罰化を求めて創設されたことから、危険運転致傷罪には厳しい罰則が設けられています。

人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する（２条本文）

「停止」以外は「あおり運転」にならないのか

停止以外の行為は、自動車運転死傷処罰法ではなく、道路交通法で対応（妨害運転罪の創設）することになっています。 道路交通法の改正案も自動車運転死傷処罰法と同様に第２０１国会に提出されています。