議員立法でテレワーク推進法案が国会に提出された。具体的にどのような内容なのか、解説する。
この法律案を簡単にまとめると以下のようになる。
・電磁的記録の真正な成立の推定の立証事項がシンプルにまとめられた
・電子署名の範囲にリモート署名が含まれることを明記した
・電子メールにも電子署名同様、電磁的記録の真正な成立の推定を認めた
ひとつずつ具体的に見ていこう。
議員立法でテレワーク推進法案が国会に提出された。具体的にどのような内容なのか、解説する。
この法律案を簡単にまとめると以下のようになる。
・電磁的記録の真正な成立の推定の立証事項がシンプルにまとめられた
・電子署名の範囲にリモート署名が含まれることを明記した
・電子メールにも電子署名同様、電磁的記録の真正な成立の推定を認めた
ひとつずつ具体的に見ていこう。
これまでは「本人が電子署名を行ったこと」及び「本人にしかできない一定の方式に限る」ことが、電磁的記録の真正な成立の推定を受けるための立証事項の一つとされていた。つまり、本人が電子署名を行ったことが確認できなければ、その電磁的記録は真正に成立したと見なされないのである。
ちなみに、私文書の場合、印影が本人の印章であれば本人の押印があったと事実上の推定を受け、その文書は真正に成立したとみなされる。
上記の指定のため、現行の法律では電子署名の普及が進まない点が危惧されていた。改正後は「本人しかできない一定の方式の電子署名」との文言に整理され、方式に則り電子署名を行えば本人だと推定され、電磁的記録も真に成立する。現行制度と比べ、条件が緩和されたので、電子署名利用の普及に一定の効果を示すと期待される。
リモート署名とは、リモート署名サービス提供事業者のサーバにログインし、サーバ上に保管された本人の署名鍵を利用し、電子署名を行う行為である。
自分自身で署名鍵を保管しなくて済むため、利便性の高い電子署名の方法だと言えるが、現行法ではリモート署名が電子署名に含まれるか明記されていなかった。今回の改正でリモート署名も含まれると明記することで、電子署名の一層の普及を目指す。
中小企業は予算や技術的な制約があるため、電子署名の導入が容易ではない。電子署名の普及が行き渡るまでの暫定的な処置として、電子メールにおいても、電子署名と同様に電磁的記録の真正の成立を認めた。
具体的には送信者専用のメールアドレスから送信された電子メールは、受診した情報を記録した電磁的記録となり、送信者が作成したものとして真正に成立したとみなされる。
同一会社内の社員間でメールが交わされる場合、事業者が「電子メールアドレスが送信者専用」「受信した情報を記録した電磁的記録が真正な成立の推定を受けること」の2つを定めていれば、送信者が作成した電磁的記録との推定を受ける。
一方、別の企業の社員同士がメールを交わす場合、両者が「電子メールアドレスが送信者専用」「受信した情報を記録した電磁的記録が真正な成立の推定を受けること」の2つに合意が交わされていれば、送信者が作成した電磁的記録との推定を受ける。
@ichi369
2020/12/26
電子署名移行への障害は、ハンコ業者やハンコ議連など既得権益を守ろうとする人だけなので、安全性を担保して、利便性に優れた制度を早く確立して欲しい。
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@ichi369
2020/12/26
電子署名移行への障害は、ハンコ業者やハンコ議連など既得権益を守ろうとする人だけなので、安全性を担保して、利便性に優れた制度を早く確立して欲しい。
@kimuu
2020/08/13
もうハンコ文化は終了してほしいです…。やっと一歩前進といったところでしょうか。
議案件名 : | 電子署名及び認証業務に関する法律の一部を改正する法律案 |
提出国会回次 : | 201 |
議案番号 : | 27 |
議案種類 : | 衆法 |
提出議員 : | 山花 郁夫 |
提出日 : | 2020年6月15日 |
公布日 : | |
法律番号 : |