神戸製鋼による相次ぐデータ改ざん問題は日本の製造業への国際信用力を揺るがしかねない事態となっている。神戸製鋼が発表した報告書によると不適合製品は国内外の688社に長期にわたり納入されていた。今年度は、神戸製鋼のみならず東レや三菱マテリアルによるデータ改ざんや新幹線の台車に亀裂が発見されるなど、不祥…
神戸製鋼による相次ぐデータ改ざん問題は日本の製造業への国際信用力を揺るがしかねない事態となっている。神戸製鋼が発表した報告書によると不適合製品は国内外の688社に長期にわたり納入されていた。今年度は、神戸製鋼のみならず東レや三菱マテリアルによるデータ改ざんや新幹線の台車に亀裂が発見されるなど、不祥事が相次いでいる。政府はこれらの不祥事が我が国の国際信用力にどの様な影響を与えるか認識しているのだろうか。
神戸製鋼に関しては、子会社の放射性廃棄物に関するデータの改ざんも報じられている。政府は事実関係を把握しているのか。過去5年間に防衛、原発および公共事業に該当製品が納入されたことはあるのか。なお、米国司法省は事態を重く見てこの件について捜査を開始したとの報道があった。巨額の制裁金を懸念する声もあるが、政府は本件をどう認識しているのか。
東レや三菱マテリアルの製品データ改ざんなど不正が相次ぐ中、政府が把握している不正は今年度何件あるのか。不正が発覚した製品で原発や公共交通に関する分野で使用されているものへの速やかな交換と賠償を政府は求めるべきではないか。また相次ぐ問題発覚により日本のものづくりの信頼性が揺らいでいる。政府はこの原因をどう考え、信頼回復のためにどう取り組んでいくのか。
神戸製鋼の報告書に対する政府の見解はどの様なものか。また、裁量労働制に関する厚生労働のデータミスや、財務省作成の決裁文書改ざん報道などから、政府自身がまずは改めるべきなのではないか。
放射性廃棄物に関するデータ改ざんは、神戸製鋼の子会社である株式会社コベルコ科研が行っていたことが分かっている。2013年3月から2018年2月までに政府に直接出荷したことが分かっている該当製品は、防衛分野で16で、原発施設や航空機および鉄道車両で使用されている。 なお、2017年10月16日に神戸製鋼のアメリカ現地子会社が米国司法当局から米国にて販売した製品の仕様不適合に関する書類の提出を求められていることを政府として把握している。
「お尋ねの “企業によるデータ改ざんなどの不正” の意味することろが必ずしも明らかでないが※」、2018年3月12日時点で14件把握している。対象製品には原発や航空機で使用されているものもあり、事業者を中心に安全性を確認中であるが、政府としては核燃料および航空機に関する法令に基づいて対応を判断し、各事業者の対応を注視していく。 なお、今回の様なデータ改ざんの事案の発生原因は、各社の経営や品質保証体制により異なり一概に回答はできず、また産業界が主体的に品質保証体制を強化することを基本とするが、経産省が2017年12月22日に対応策を公表するなど、政府としても産業界の取組を多面的に支えてゆく。
神戸製鋼が発表した不適切行為に関する報告書には、神戸製鋼が外部に設置した外部調査委員会の調査結果に基づいて、事実関係、原因分析、再発防止策等が記載されている。政府は同社に対してこの報告書に基づいた再発防止策の徹底を求めている。 なお、裁量労働制のデータに関しては撤回してお詫びをしており、財務省理財局による決裁文書については、書き換えが明らかなり謝罪している。引き続き更に調査を進めていく。
※ 原文を一部加工し引用しました。
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質問主意書名 : | 神戸製鋼製品の検査データ改ざん問題に関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 196 |
提出番号 : | 131 |
提出日 : | 2018年3月8日 |
転送日 : | 2018年3月12日 |
答弁書受領日 : | 2018年3月16日 |