第4次産業改革では、IOTやAIなどの活用により製造業で技術革新が起こり、就業・産業構造も大きく変化する可能性がある。この中で国際競争力と生産性の向上を実現するには、労働者個人の学び直しや企業内での能力再開発が極めて重要になっている。 しかし企業内では能力再開発を進める上での課題も多く、また個人も…
第4次産業改革では、IOTやAIなどの活用により製造業で技術革新が起こり、就業・産業構造も大きく変化する可能性がある。この中で国際競争力と生産性の向上を実現するには、労働者個人の学び直しや企業内での能力再開発が極めて重要になっている。 しかし企業内では能力再開発を進める上での課題も多く、また個人も転職をしてまで専門性を高める意向がある人は少ない。さらに、企業再編にかかわる法整備でも、労働者への情報提供が制限されるなどの問題もあり、労働者が内向きになる要素もある。
第4次産業革命に対応可能な人材として、新たにどの様な資質やスキル等が必要なのか。人材育成システムの構築には産・官・学による下記の検討が必要ではないか。
初等中等教育でのIT・データサイエンス教育の支援体制の構築
独創的なソフトウェア開発能力を持つ人材と、ソフト・ハード両面の技術に通じる人材の育成
幅広い異分野交流可能な機会の提供
高度熟練技能・技術の伝承
「匠の技」を自動化・デジタル化・ブラッシュアップさせ付加価値向上を探求する、工業・工専高等学校を中心とした人材育成環境の整備
企業再編時には、労働組合や労働者に対して再編内容・雇用・労働条件等の情報提供を行うことを、政府は事業主に義務付けるべきではないか。
政府は合併や分割の場合と同様に、事業譲渡時にも雇用や労働条件の保護について法整備を検討するべきではないか。
第4次産業革命に対応した人材育成として、独立行政法人情報処理推進機構が新たに求められる実務能力の明確化と体系化を行っている。また「未来投資戦略2018」では、産・官・学による検討を具体化することとしており、政府は以下の通り対応を進めている。
教育支援体制の構築:児童のプログラミング学習等について解説した「小学校プログラミング教育の手引き(第1版)」を公表(文部科学省)
人材育成:ITを駆使してイノベーションを創出可能な突出した若い人材発掘・育成事業の実施 (独立行政法人情報処理推進機構)と ハード・ソフト両面の技術に通じる人材育成に必要な教育プログラム開発支援(経済産業省)
異分野間交流:「スマートものづくり応援隊」事業で異なる分野の専門技術交流の機会提供(経済産業省)
高度熟練技能・技術の伝承:優れた技能を持ち「ものづくりマイスター」に認定された若者への実技指導(厚生労働省)
人材育成環境の整備:工業分野の基礎的・基本的な知識・技術習得と、工業と社会の発展を図る創造的能力と実践的態度の育成(工業高等学校)、実践的・創造的技術者の育成(高等専門学校)、独立行政法人国立高等専門学校機構運営費交付金の交付(文部科学省)
会社法の規定による分割時には、「会社分割に伴う労働契約の継承等に関する法律」において、労働者・労働組合には継承される事業概要等、また労働者には従事する予定の業務内容・就業場所・その他の就業形態等について、規定の通通知期限までに通知することが義務付けられている。
事業譲渡の場合は労働契約の伝承予定労働者に、民法で規定する承諾を得る必要がある。さらに「会社等が留意すべき事項に関する指針」では伝承予定労働者への十分な説明と承諾に向けた協議を行うことを留意事項として示しており、厚生労働省はこれらの周知を行っている。
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質問主意書名 : | 我が国製造業を担う人材の確保・育成と生産性の向上に関する質問主意書 |
提出先 : | 参議院 |
提出国会回次 : | 196 |
提出番号 : | 177 |
提出日 : | 2018年7月13日 |
転送日 : | 2018年7月18日 |
答弁書受領日 : | 2018年7月24日 |