チョコレートと脳の若返りの研究発表に関する質問主意書

提出議員 : 長妻 昭

内閣府の革新的研究開発推進プログラム(以下、インパクト)のチームと明治は共同研究を行い、2017年1月の記者会見で「高カカオチョコレートの継続摂取による脳の若返り効果の可能性に道筋」とプレスリリースを発表し、明治はチョコレートによる脳の若返り効果があると印象付ける新聞広告を出した。その後この発表内…

内閣府の革新的研究開発推進プログラム(以下、インパクト)のチームと明治は共同研究を行い、2017年1月の記者会見で「高カカオチョコレートの継続摂取による脳の若返り効果の可能性に道筋」とプレスリリースを発表し、明治はチョコレートによる脳の若返り効果があると印象付ける新聞広告を出した。その後この発表内容は科学的根拠が乏しいと指摘され、政府は再検証を行うとしている。

  • 内閣府は2017年のプレスリリースの発表当時、その内容は科学的根拠が乏しい旨を認識していたのか。内閣府は企業が作成したプレスリリース資料のチェックが不十分だったと2018年3月8日に発表している。内閣府の事業ではプレスリリース資料の原案作成を企業に委ねているのか。プレスリリースの資料チェックは十分ではなかったのではないか。

  • 内閣府はチョコレートの本格的共同研究について、「いち早く世間に伝えたかった」旨を2018年3月8日に発表しているが、そもそも2017年のプレスリリースの発表を主導したのは誰か。特定の人物がフリーハンドで発表を主導した事実はあるのか。
    なお、その発表の内閣府内での決裁は誰が行ったのか。もしも政府3役(大臣、副大臣、政務官)の決裁がないのであれば、3役に少なくとも報告はされたのか。また、決裁にその他の不備はなかったと言えるのか。

  • 内閣府及びインパクト関係者に明治から新聞広告の事前照会はあったのか。照会があったのなら、内閣府及び政府関係者はなぜ広告を容認したのか。政府は広告の記述は適切だったと考えているのか。また、広告にはインパクトの山川義徳プログラム・マネージャー(以下、山川PM)の写真が掲載されている。山川PMは明治から報酬を受けているのか。
    なお、今回の研究と研究検証にどのくらいの税金が使われたのか。政府は何らかの再発防止策を考えているのか。

  • プレスリリースの基となる実験は、有望な商品開発のために必要最小限の条件で行われ、実験方法については問題はないと山川PM以下は認識していた。しかし、高カカオ成分による脳の若返り効果について批判を招いたため、インパクトの有識者会議を設置し問題点の検証を進める。
    山川PMが明治にプレスリリースの原案作成を委ねたのは、発表内容が明治の案件に関するものであったためとのことある。
    なお、内閣府全体としてプレスリリース原案作成の企業への委託については、調査に時間を要するため回答が困難である。

  • 「いち早く世間に伝えたいという思い」は山川PMの自己分析によるものであった。ただし発表資料の確認は、山川PMをはじめインパクト担当室(以下、内閣府担当室)及び国立研究開発法人科学技術振興機構(以下、機構)でも確認が不十分であり、問題があったと認識している。
    なお、PMは有識者会議に進捗状況の報告を半年ごとに行い、有識者会議は必要に応じPMに改善を求めることができる。

  • 広告については山川PMから内閣府担当室及び機構に内容の照会があったが、当該広告は明治が企画し内容も本格的な共同研究開始に関するものであって当時は問題視していなかった。しかし、批判を招くような広告にPMが関与するべきではなく、今度は適切に対応する。
    加えて、研究開発プログラムに関する記者会見については、内閣府担当室、機構、PMおよび受託研究機関等の各責任を明確化する。特に社会的注目度の高い発表資料の内容は、内閣府担当室と機構が研究開発プログラムに直接関与していない専門家に点検を必要に応じて依頼する。
    なお、当該研究には研究費として大学等に対し2015年度及び2016年度に合計約8700万円を支出し、この一部が明治との共同研究に充てられた。研究検証では当該開発プログラムに関与していない専門家によるヒアリングが行われ、当該専門家に謝金及び旅費として合計約44万円が支払われた。また山川PMは明治から報酬を受け取っていないとのことである。

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 詳細情報

質問主意書名 :チョコレートと脳の若返りの研究発表に関する質問主意書 
提出先 :衆議院
提出国会回次 :196
提出番号 :198
提出日 :2018年4月2日
転送日 :2018年4月4日
答弁書受領日 :2018年4月10日

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