生活保護世帯の子どもが大学・専門学校等に進学した場合に世帯分離をする取り扱いの法的根拠に関する質問主意書

提出議員 : 山本 太郎

生活保護世帯の子供が大学や専門学校に進学する場合には世帯分離を行い、進学者を生活保護の対象から外すことになっている。その判断の根拠を、厚生省は「生活に困窮する者は資産・能力を最低限度の生活の維持に活用する(同法4条1項)」から「健康で文化的な生活水準という保護の要件を超える(生活保護法3条)」に変えてきている。
また、厚生省は大学・専門学校への全国平均進学率が80%に達していない為に世帯内就学(進学者も保護の対象)を認めないとしていた従来の見解も、「進学率のみではなく進学しない一般世帯の子供や自ら学費を賄う低所得世帯の子供とのバランスを考慮する」見解へと変容させてきている。

  • 生活保護世帯の子供が大学・専門学校などに進学した場合に世帯分離を行う取扱の法的根拠は、生活保護法の3条か4条1項か。両方の条文を根拠とする場合、両条文にはどのような関係になると考えているのか。

  • 生活保護世帯において、大学・専門学校への世帯内就学を認めない理由として用いられた「全国平均の進学率80%」として、なぜ浪人生を含む進学率ではなく現役生のみの進学率を用いたのか。

  • 生活保護世帯において、大学・専門学校への世帯内就学を認めない理由として「進学率」以外の理由、例えば「高校卒業後に就職する一般世帯のケースや、アルバイトなどで学費を自ら賄う低所得世帯のケース」などを公刊物や国会答弁において示したことはあるか。

  • 生活保護世帯の子供が大学などへ進学することは、生活保護法3条の「生活保護を受給しながらの大学などへの進学」に含まれない。また、同条4条1項により「生活保護世帯の高等学校などの卒業者で稼働能力を有する者」は就労が求められる。だたし一定の場合に卒業者が大学などへ進学した場合、世帯との同居ができるように世帯分離を行うこととしている。

  • 生活保護世帯の子供が大学などに就学しながら保護を受けることができるのかは、進学率のみではなく、様々な要素を総合的に考慮して判断する。

  • 加藤厚生大臣(当時)が、2018年4月の衆議院厚生労働委員会および2018年5月18日の参議院本会議にて、その旨の発言を行っている。

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 詳細情報

質問主意書名 :生活保護世帯の子どもが大学・専門学校等に進学した場合に世帯分離をする取り扱いの法的根拠に関する質問主意書 
提出先 :参議院
提出国会回次 :198
提出番号 :67
提出日 :2019年6月6日
転送日 :2019年6月10日
答弁書受領日 :2019年6月14日

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