政府は、首都圏空港の機能強化策の一環としての羽田空港国際線増便のために、2020年3月29日以降、都心を含む人口密集地上空の超低空かつ多頻度飛行を計画している。しかし、関係住民から騒音、落下物、墜落の危険、資産価値の低下などの懸念が表明され、関係する複数の区議会で見直しを求める決議や意見書が採択さ…
政府は、首都圏空港の機能強化策の一環としての羽田空港国際線増便のために、2020年3月29日以降、都心を含む人口密集地上空の超低空かつ多頻度飛行を計画している。しかし、関係住民から騒音、落下物、墜落の危険、資産価値の低下などの懸念が表明され、関係する複数の区議会で見直しを求める決議や意見書が採択されている。この新ルート案は直ちに撤回すべきではないか。
総理や国土交通大臣は、新飛行ルートについては地元の理解を得て進めると繰り返し答弁しているが、新飛行ルート見直しを求める決議や意見書が変更されて、地元の理解を示す決議や意見書が採択された事実はあるのか。また、決議や意見書を提出した区議会に対しどのような対応を取ったのか。
新飛行ルートに対する対策として、南風好天時の新到着経路の降下角を3度から3.5度にできる限り引き上げ、飛行高度を引き上げて騒音の影響を低減するとしているが、次のことについて把握しているのか。
過去の実績に基づき想定される南風好天時の年間日数、時間帯および全到着便に占める南風好天時の便の割合
3.5度に引き上げることにより、騒音はどの程度低減されるのか
この20年間に国際空港評議会が調査・公表している世界の国際空港について、羽田空港の新飛行ルートのような都心部を低空で飛行する離着陸ルートはあるのか。
全国7空港(成田、関西、羽田、中部、福岡、那覇、新千歳)における航空機の部品欠落情報についての2018年11月から2019年10月までの報告件数、および報告制度が始まった2017年11月から2019年10月までの累積報告件数は把握しているのか。
新飛行ルート周知のための広告・広報費用の過去5年間の年度別執行額および2020年度の概算予算要求額を把握しているのか。
品川、渋谷、港の各区議会において、ルートの再考を求める等の旨の決議や意見書が国土交通省に提出されたことは認識しているが、新たに地元の理解を示す決議や意見書は可決されていないと認識している。また、これらの区議会等に対し、騒音対策や落下物対策等の内容について説明を行ったところであり、今後とも丁寧な情報提供に努めていきたい。
南風好天時の便の割合および騒音の低減については以下の通り。
2017年から2018年までの、15時から19時までの間の南風の運用実績は約4割であるが、新経路における好天時の判断基準はこれまでと異なるため、現段階においては答えられない。
航空機の騒音は、地形や飛行経路からの側方距離によって異なるため一概に答えられないが、一般に飛行高度が高くなれば地上から航空機までの距離が遠くなるため、降下角を引き上げて飛行高度の引き上げを行うこととしている。
この20年間分については網羅的に把握していないので答えられないが、2018年の年間離着陸回数が多い上位30空港(羽田空港を除く)においては、そのような例は承知していない。
2019年10月分については現在集計作業を行っているが、2018年11月から2019年9月までは518件、2017年11月から2019年9月までは917件である。
年度別の羽田空港の機能強化に関する情報提供経費は以下の通り。
年度 経費
2018 258,369,696円
2017 298,610,000円
2016 192,670,000円
2015 261,326,840円
2014 33,267,900円
なお、2020年度の概算予算要求額は、羽田空港に関する予算要求額616億円の内数として計上している。
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質問主意書名 : | 羽田空港の新飛行ルートに関する質問主意書 |
提出先 : | 参議院 |
提出国会回次 : | 200 |
提出番号 : | 68 |
提出日 : | 2019年11月21日 |
転送日 : | 2019年11月27日 |
答弁書受領日 : | 2019年12月3日 |