いわゆる濃厚接触者追跡アプリに関する質問主意書

出典: Markus Winkler from Pixabay

提出議員 : 中谷 一馬

新型コロナウイルスの濃厚接触者の追跡アプリの導入が日本でも進んでいる。3月には導入した諸外国に比べ、日本での導入は2か月以上遅れている。

アプリの有効な活用には人口の40~75%がダウンロードする必要があるが、そのようなことが日本で実現できるのだろうか。

そもそも、アプリを通じて個人の行動情報が追跡されるリスクがあるが、「安全性の確保」と「個人のプライバシー」のバランスについて、政府内でしっかり議論されていなければ、誰もダウンロードしたがらないのではないだろうか。

  • 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として濃厚接触者の接触確認アプリが、日本でも5月中には導入されると報道されているが、なぜこの時期での導入となったのか。

  • ドイツのメルケル首相が考えるように、基本的人権の管理・制限は必要な場合に限って正当化できる。追跡アプリの導入で個人のプライバシーやセキュリティ管理の問題が懸念される。これらの懸念にはどのような対策や規制がなされるのか。

  • シンガポールやオーストラリア、接触確認アプリの効果を得るためには多くの国民(各々人口の3/4、40%のダウンロードが必要)が利用することが必要だが、日本ではどの程度の利用者数を想定し、どのような方法で接触確認アプリの利用を進めていくのか。

  • シンガポールやオーストラリアの首脳によれば、接触確認アプリの効果を得るためには多くの国民(各々人口の3/4、40%のダウンロードが必要)が利用することが必要である。日本ではどの程度の利用者数を想定し、どのような方法で接触確認アプリの利用を進めていくのか。

  • 追跡アプリには「中央集権方式」と「分散方式」がある。日本の接触確認アプリはどの方式を検討しているのか。

  • 中央集権方式:シンガポールや韓国で既にされている、利用政府に中央サーバーを設置し、そこで接触データを管理する方式

  • 分散方式:ドイツなどで実装を検討中の、接触データをユーザーのスマートフォン内で行うことで、個人のプライバシーやセキュリティリスクを抑える方式 ※AppleとGoogleが発表した「濃厚接触通知」システムを採用


  • 内閣官房に新型コロナウイルス感染症対策テックチームを設置し、接触確認アプリ導入の検討を進めている。その内容は2020年4月6日に内閣官房のホームページで公表しているが、現時点で配信開始時期は未定である。

  • 開発・運用を行う者に対しては、個人情報の保護に関する法律等関係法令にのっとり適切な対応を求めていく。

  • 導入に向けた検討を開始したばかりであり、まだ目標利用者数をお答えする段階にはない。

  • 実装方式は現在検討中である。

  • 当該利用者が自ら申告し、保健所が健康観察等を行うといった対応を検討している。


参考資料:接触確認アプリに関する仕様書等の公表

@restog

2021/04/03

プライバシーをどうやって保護しているのか、というはっきりとした政府からの説明が欲しい。

@だるばーど

2020/12/23

ようやくこのアプリの利用者が人口の15%になったそうです。高齢者が多いことや密とは無縁の田舎のことを考えると、40%以上の利用者というのは難しいように思えます。しかし、実際にこのアプリを利用していた友人が濃厚接触の疑いがあるとの通知をもらいました。安全性の説明不足や不具合の発生などドタバタ始まった印象のアプリでしたが、無いよりはあったほうが良いと思います。

 詳細情報

質問主意書名 :いわゆる濃厚接触者追跡アプリに関する質問主意書 
提出先 :衆議院
提出国会回次 :201
提出番号 :186
提出日 :2020年5月1日
転送日 :2020年5月11日
答弁書受領日 :2020年5月15日

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