安倍総理は櫻井よしこ氏との対談において、黒川検事長の定年延長は「検察つまり法務省が持ち込んだ人事案を我々が承認した」旨の発言を行った。
国家公務員法に定年延長規定が新設される前の1980年に、政府は想定問答集(総理府人事局)にて、定年延長が検察官には適用されないとしている。 検察官出身者が幹部を占める法務省及び検察庁が、独断で、黒川検事長の定年延長を企画するはずがない。
安倍総理または首相官邸の政府関係者により、法務省または検察庁に指示があったはずである。安倍総理の対談での発言は虚偽ではないのか。
政府が検察官にも国家公務員法の勤務延長制度が延長されるとの解釈に至ったのはいつか。また、首相官邸の政府関係者に、黒川検事長の勤務延長人事案が法務省から最初に報告されたのはいつか。
黒川検事長の勤務延長の閣議決定までの間、法務省、検察庁、首相官邸内でどのような事務が、いつ行われたのか。
対談での次のやり取りは、安倍総理または首相官邸の政府関係者は、黒川検事長の勤務延長人事案には、一切関与していないということか。
櫻井よしこ氏: 「検察つまり法務省の側から持ってきたものを官邸がただ了承しただけだと聞いたのですけど、これはかなり詳しく聞いたのですが、それはそのとおりですか。」
安倍総理: 「それはまったくそのとおりですね。」
国家公務員法の勤務延長制度が検察官に適用されるとの解釈に至ったのは2020年1月24日である。 黒川検事長の閣議請議書は法務省大臣官房人事課が2020年1月29日に起案した。それを受けた閣議決定がなされたのは、2020年1月31日である。
個別の人事に関する事項については、お答えすることは差し控えたい。
対談での安倍総理の発言の趣旨は、安倍総理が対談中に次のように発言した通りである。
安倍総理:「正にこの検察庁も含めて、法務省がこういう考え方でいきたいという人事案を持ってこられて、それを我々が承認をするということなんです。」
@westman
2020/06/08
「個別の人事に関する事項」を盾にして、重要な意思決定の過程を秘匿してよいものか。良識の問題ではないのか。
質問主意書名 : | 東京高等検察庁黒川検事長の勤務延長の安倍総理及び首相官邸の関与に関する質問主意書 |
提出先 : | 参議院 |
提出国会回次 : | 201 |
提出番号 : | 122 |
提出日 : | 2020年5月20日 |
転送日 : | 2020年5月25日 |
答弁書受領日 : | 2020年5月29日 |