横浜沖に停泊しているクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客・乗員が、次々と新型コロナウイルス感染症を発症した。このようなことを二度と生じさせないため、今回の対応について、乗客・乗員への情報提供及び一般国民への情報公開も含めて事実関係を調査し、検証して、今後の対策の資料として公開すべきではないか…
横浜沖に停泊しているクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客・乗員が、次々と新型コロナウイルス感染症を発症した。このようなことを二度と生じさせないため、今回の対応について、乗客・乗員への情報提供及び一般国民への情報公開も含めて事実関係を調査し、検証して、今後の対策の資料として公開すべきではないか。
アメリカや韓国では、クルーズ船からの下船者について14日間は外部との接触を避ける方針とされている。日本では2020年2月5日に隔離が開始され、2月19日に下船が開始されたが、次のことについてどのように把握しているのか。
船内待機中に陽性と判断された人はどの時期に感染したのか。
日本では、なぜ下船者はウイルス保菌者がいないと判断し、公共交通機関を利用して自宅等へ移動させたのか。
陰性と診断された人が、検査後の事後感染で陽性となった可能性はないと断定できるのか。
検疫および感染要因に関し、次のことについてどのように把握しているのか。
クルーズ船が外国船籍だったことは、新型コロナウイルス対応に際してどのような影響を及ぼしたのか。
2月3日に検疫が開始されたにもかかわらず、2月4日においてもバイキング式の食事や観劇、麻雀などの近距離接触が継続されていたのはなぜか。
船内で提供された飲食物や推奨された散歩は、船内感染の要因だったのではないか。散歩は2メートル間隔で行うこととされていながら、実際には近距離ですれ違う人や話し合っていた人もいた。
船内の感染予防対策の従事者とその指揮系統はどのようになっていたのか。また、発熱者が医務室へ行くのに、他の人と同じ通路を通らなければならない状況であれば、医療従事者が往診に行くということはできなかったのか。
このようなことを二度と生じさせないために、今回の対応について、乗客・乗員への情報提供及び一般国民への情報公開も含めて事実関係を調査し、検証して、今後の対策の資料として公開すべきではないか。調査のスケジュールも示してほしい。
クルーズ船からの下船後の対応について
症状のある感染者数を発症日ごとに確認している。隔離が始まった2月5日以降は適切な拡大防止措置がとられ、2月7日に発症者はピークとなったものの、その後徐々に減少していることから、隔離が有効に行われたことを確認した。
国立感染研究所の見解に基づき、PCR検査で陰性だった方については、14日間の健康観察期間終了後に改めて健康状態を確認している。その上で問題がない方については、新たなPCR検査を行わずに、2月19日から順次下船していただいた。その後も、下船日から14日間は毎日健康フォローアップを実施することとした。
「御指摘の “事後感染” の意味するところが必ずしも明らかではないが※」例えば、検体検査後の健康観察期間中に同室者が感染症にかかっていたことが判明した場合は、検体検査後に感染した恐れがあると理解している。そのような人については、同室者からの感染防止措置をとった時点から、改めて健康観察を行うこととした。
検疫および感染要因について
船籍が外国か日本かを問わず、検疫法に基づく検疫を行っている。
イベントはクルーズ船の船長の判断により行われていたが、2月4日に陽性の検査結果が出たため、2月5日からは、客室から出ることを控え待機するよう、船長から乗客に対し指示をした。
食事ついて、乗組員は常時マスクを着用するなど適切な措置を講じていた。散歩については、感染症専門家の了解も得て推奨していた。近距離ですれ違う人や、話し合っていた人がいたかについては、具体的な状況が分からないのでお答えできない。
「お尋ねの “感染予防対策の従事者“ 及び “指揮系統“ の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが※」感染症防御チームの専門医師が船内を見て、指摘したことに対しては、その日のうちに対応していた。医者は、患者の症状等に応じて訪問診察を行っていた。
今後しっかり検証していきたい。しかし今は、クルーズ船の対応を含めた新型コロナウイルス感染症まん延防止に最大限取り組んでいるところであり、現時点においては、スケジュールを含めた検証の進め方等についてお答えできない。
※ 原文を一部加工し引用しました。
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質問主意書名 : | クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」と新型コロナウイルスに関する質問主意書 |
提出先 : | 参議院 |
提出国会回次 : | 201 |
提出番号 : | 53 |
提出日 : | 2020年2月21日 |
転送日 : | 2020年3月2日 |
答弁書受領日 : | 2020年3月6日 |