「働き方改革推進法案要綱」において「企画業務型裁量労働制」の対象となる業務に「業務の一部に営業が含まれる業務」が新たに追加された。みなし労働時間を適正に判断することの難しさが問われている中、「企画業務型裁量労働制」を拡大することに問題はないのだろうか。 業務の一部として営業を行う労働者に「企画…
「働き方改革推進法案要綱」において「企画業務型裁量労働制」の対象となる業務に「業務の一部に営業が含まれる業務」が新たに追加された。みなし労働時間を適正に判断することの難しさが問われている中、「企画業務型裁量労働制」を拡大することに問題はないのだろうか。
業務の一部として営業を行う労働者に「企画業務型裁量労働制」を新たに適用することはそもそも合法と言えるのか。またどの様な場合に合法になるのか。合法とした場合、どのような営業が合法となる業務に該当するのか。例えばファストフードや弁当、スポーツクラブの店長は新しく追加された業務の対象となるのか。
2017年12月に野村不動産が労働時間の不正により是正勧告を受けた事例からもわかるように、みなし労働時間が適正かどうか判断するのは困難とされている。そのような中で「企画業務型裁量労働制」を拡大するのは、不適切な事例を増やすことにつながるのではないか。
また、労働者に対して同裁量労働制の適用が違法であると判断された場合、事業主への罰則は残業代の支払い以外にどのようなものがあるのか。
基準年間平均給与額の3倍を相当程度上回る労働者が対象となる「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」だが、その水準とされている金額はいくらなのか。この制度適用後に年収が下がった場合その労働者は自動的に適用外となるのか。
現行の「企画業務型裁量労働制」ではその対象となる業務内容を労働基準法で規定しており、これに該当するものが対象業務となる。新しく対象業務が追加された同裁量労働制でも同様にその業務内容を規定しており、その内容に沿ったものを新対象業務にすることを検討している。
労働基準法は、「企画業務型裁量労働制」を導入する際に、労働組合もしくは労働者を代表する委員が参加する委員会にて、その対象となる者の範囲・当該業務に就く際に当該労働者の同意を必要とすることなどを決議することを定めている。
また、労働基準監督署も適宜指導を行っており、新対象業務についても導入に当たっては適切な運用が行われるように要件を検討している。なお、違反が認められた場合は6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金となる。
「高度プロフェッショナル制度」は水準となる金額を労働基準法に基づく告示の内容(1075万円)を参考に法案成立後に検討を行うので、現時点では回答できない。対象となる労働者は年収要件が厚生労働省令で定められた額以上のある者で、これを下回る者は対象とならないとする旨を検討している。
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質問主意書名 : | 業務に営業活動が含まれる労働者に対する裁量労働制の適用の適否等に関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 196 |
提出番号 : | 28 |
提出日 : | 2018年1月25日 |
転送日 : | 2018年1月29日 |
答弁書受領日 : | 2018年2月2日 |