日本での子供の貧困率は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも高く、特にひとり親世帯は50.8%と半数以上が貧困状態である。 ひとり親世帯の多くを占める母子家庭では働いても貧困から抜け出せず、民間資金だけではなく政府による救済が必要ではないか。また、政策の結果を逐次監視するために国による調査の頻…
日本での子供の貧困率は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも高く、特にひとり親世帯は50.8%と半数以上が貧困状態である。 ひとり親世帯の多くを占める母子家庭では働いても貧困から抜け出せず、民間資金だけではなく政府による救済が必要ではないか。また、政策の結果を逐次監視するために国による調査の頻度を上げることが求められるが政府はどのように考えているのだろうか。
調査で明らかになった相対的貧困率および子どもの貧困率について、政府はOECD諸国や前回調査と比較して、どう評価しているのか。 また政府は2016年8月分よりひとり親世帯への2人目以降の児童扶養手当を増額したが、今回の調査結果には反映されていない。政策結果を正確に反映させるためにも、「国民生活基礎調査」の大規模調査を毎年行うべきではないか。
ひとり親世帯の貧困率が5割を超えている背景として、母子世帯の母親が育児の制約から賃金水準が低い非正規雇用として就業している現状がある。さらに政府が進める雇用の規制緩により、企業は賃金の低い非正規雇用を増やしている。政府はこのことをどう認識しているのか。
「国は児童手当等の拡充」、「教育に係る費用の無償化」、「子どもの医療費負担ゼロ」等の社会制度を構築しつつ、所得の低い人たちの税及び社会保険料の負担割合を見直すべきではないか。 また、足立区のように独自に子どもの貧困対策に取り組くむ自治体もあるが、その財源は各自治体の予算に委ねられている。自治体間の格差解消のために財政支援を行うなど、国は子どもの貧困対策に積極的に関わっていくべきではないか。
相対的貧困率および子どもの貧困率は、経済状況の好転により前回調査からそれぞれ0.5ポイント・2.4ポイント低下している。 OECDがウェブサイトで公表している加盟国の平均相対貧困率と子どもの貧困率は、調査方法が国によって異なるので比較は困難である。 また国民生活基礎調査の実施は調査対象世帯や実務を担う地方公共団体および統計調査員の負担を考えると、毎年行うことは困難である。
「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、ひとり親世帯の8割以上が母子世帯で、就業している母親の役半数がパート・アルバイト等の不安定な就労形態である。平均年間就労収入および平均年間収入は低く、ひとり親世帯の貧困率が高いことの原因となっている。 また政府は、「すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト」に基づいて総合的支援を行っている。
政府は子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づいて「子供の貧困対策に関する大綱」を定めており、子どもたちの成育環境を整備し、教育を受ける機会の均等を図り、生活支援、保護者の就労支援等と 子どもの貧困対策を総合的に推進している。 生まれや育ちで将来が左右されない社会の実現のため、関係機関で密接に連携し、国と地方公共団体が様々な分野で対策を講じていく必要がある。政府としては地方公共団体に様々な支援を行い、2018年度予算等でも所要の措置を講じているところである。
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質問主意書名 : | 子どもの貧困対策に関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 196 |
提出番号 : | 203 |
提出日 : | 2018年4月3日 |
転送日 : | 2018年4月9日 |
答弁書受領日 : | 2018年4月13日 |