安倍総理と加藤厚生労働大臣は、裁量労働制は長時間労働を助長するという指摘に対して、「2013年度労働時間総合実態調査」(以下、本調査)のデータをもとに、裁量労働制は一般労働者よりも平均労働時間は短いと予算委員会で例示した。このデータによると、一般労働者の1日の時間外労働時間の平均は1時間37分であ…
安倍総理と加藤厚生労働大臣は、裁量労働制は長時間労働を助長するという指摘に対して、「2013年度労働時間総合実態調査」(以下、本調査)のデータをもとに、裁量労働制は一般労働者よりも平均労働時間は短いと予算委員会で例示した。このデータによると、一般労働者の1日の時間外労働時間の平均は1時間37分であるが、1週の平均は2時間47分で1日当たり約33分となり、1日の実績値に大きな誤差がある。 一方で1日の時間外労働時間の回答数値にも大きな疑問が残る。この様な不確かな調査結果の数字を予算委員会で述べるのは不適切ではないか。
加藤大臣が示した一般労働者の実労働時間9時間37分は所定労働時間と残業による労働時間をそれぞれ何時間として計算したのか。不確かな調査結果を基にした数字を予算委員会で例示するのは不適切ではないか。
週の実績を5で割った1日当たりの時間数と1日当たりの実績値がなぜ大きく異なるのか。どちらの数字が正しいのか。
1日の時間外労働が10ないし15時間との回答がある。そうなると1日の実働時間は18ないし23時間という非現実的な値になってしまう。この数字は間違えではないのか。
9時間37分は一般労働者の1日の時間外労働時間平均「1時間37分」に1日の法定時間外の「8時間」を加えたものであるが、加藤厚生労働大臣は、2018年2月14日の予算委員会で、このデータの例示を撤回している。
本調査は1週、1日それぞれの最長時間外労働時間を別個に回答させ集計した。 1週間の時間外労働時間の平均値の2時間47分(33分/日)は、1日の時間外労働時間の平均値の1時間37分から、対象となった事業場の業種及び規模別の全体の分布の傾向に沿うように修正・復元を統計的に行って求めた値である(※要約者見解)。 これらが原因で1日当たりの実績値に誤差が生じたと考えられる。
数字は一般労働者の時間外労働の調査対象月での最長の時間数を集計した結果である。
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質問主意書名 : | 裁量労働制で働く労働者の方が労働時間が短いデータがあるという答弁に関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 196 |
提出番号 : | 67 |
提出日 : | 2018年2月9日 |
転送日 : | 2018年2月14日 |
答弁書受領日 : | 2018年2月20日 |