国民投票法改正案(与党案)

日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案

出典:国立公文書館
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提出議員 :逢沢 一郎

「国民投票法」は、憲法改正のための国民投票についての手続きを定めた法律です。 その「国民投票法」の改正法案が、与党と野党から各々提出されています。

この記事では、国民投票法の改正法案」について、与党案と野党案(国民民主党)の両方を取り上げ、各改正案の比較を織り交ぜながら解説していきます。


「投票しやすい環境の整備」を目指す与党案 与党案では、より多くの有権者が参加できるよう、国民投票の環境を整備するとしています。

  • 駅構内や大型商業施設への「共通投票所」の設置
  • 期日前投票の対象者および投票時間の拡大
  • 投票所に立ち入れる同伴者(子供)の年齢引き上げ
  • 在外選挙人名簿への登録の緩和など

具体的には、駅構内やショッピングセンターに「共通投票所」を設け、期日前投票の投票時間を延長するなど、主に「投票しに行く」ためのハードルを下げることに注力しています。これは、本解説の最後でも触れる、「最低投票率」を意識したものと言えるかもしれません。


「広告規制」を主眼とした野党案(国民民主) 与党案に対して、国民民主党が提出した野党案は、国民投票法についての大きな論点である「広告規制」を整備する内容になっています。

  • 政党等による広告放送及びインターネット上の有料広告の禁止
  • 憲法改正に賛成または反対する投票への勧誘(国民投票運動)への資金規制
  • 投票日当日の国民投票運動の禁止

政党によるテレビやインターネットでの広告を廃止することや、国民投票運動を行う団体に資金規制を行うことで、資金力を背景とした、投票の勧誘行為を規制する内容です。

そもそも国民投票法案における「広告規制」は、参議院での付帯決議に含まれているので、避けては通れない議論です。与党案では「広告規制」については触れていませんので、今回の与党案については、勇み足な印象を持つ人が多いかも知れません。


国民投票をめぐっては、「最低投票率」(広告規制と同様に付帯決議に含まれています)や、改正する憲法の条文ごとに賛否を表明するべき等、多くの論点が存在します。 特に「最低投票率」は、何をもって憲法改正に必要な「過半数」、いわゆる「国民の過半数の賛成」とするのかという、大きな議論に発展する論点です。

憲法改正そのものだけではなく、改正手続きである「国民投票法」についても、しっかりと議論して行きたいものです。


参考資料

最新の賛成コメント

@ichi369

2021/03/22

投票機会を増やすことには賛成です。現状では投票率の高い高齢者向けの政策に偏る傾向があるため、投票率の年齢的な偏りが是正されることに期待します。

最新の反対コメント

@タダフサ

2020/06/04

付帯決議はいつ議論するのか。そもそもコロナ対策を優先するとかで国会延長しないのであれば、国民投票法案のように時間を掛けて議論するべき法案は無理に進めなくてもいいと思うけど。

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@ichi369

2021/03/22

投票機会を増やすことには賛成です。現状では投票率の高い高齢者向けの政策に偏る傾向があるため、投票率の年齢的な偏りが是正されることに期待します。

@TONOさん3号

2021/03/13

国民の政治参加という観点から楽に国民投票できるように場所等を整備することは大事だと思います。 きちんと審議して進めるべきと考えます。 優先順序なく並行して議論する法案だと思います。

@タダフサ

2020/06/04

付帯決議はいつ議論するのか。そもそもコロナ対策を優先するとかで国会延長しないのであれば、国民投票法案のように時間を掛けて議論するべき法案は無理に進めなくてもいいと思うけど。

 詳細情報

議案件名 :日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案 
提出国会回次 :196
議案番号 :42
議案種類 :衆法
提出議員 : 逢沢 一郎
提出日 :2018年6月27日
公布日 :
法律番号 :