働き方改革関連法で創設予定の高度プロフェッショナル制度は、高度な専門知識を持ち職務範囲が明確でかつ一定の年収がある労働者を労働時間規制から外す制度である。対象者には残業や深夜・休日労働分の割増賃金が支払われない。
同制度の対象者の選定基準に注目が集まっているが、基準作成は適正に行われているのだろうか。
高度プロフェッショナル制度の対象者は業務量について自らの裁量を持つことが重要だが、働き方改革関連法においてそれは保障されるのか。また使用者(雇用主など)が高度プロフェッショナル制度の対象者に業務時間等の指揮命令をする事は認められるのか。
年収が1075万円以上の人は高度プロフェッショナル制度の対象になる。何を根拠に高収入者を高度プロフェッショナル制度の対象にするのか。政府は収入が高ければ労働者は長時間労働に耐えられると考えているのか。なお、年収1075万円以上の労働者のうち当該業務に該当する者の割合を政府はどの程度と見積もっているのか。
高度プロフェッショナル制度の対象者の平均賃金が減少するとの指摘がある中、厚生労働省は賃金が減少しないよう法定(新労働基準法)の指針に明記するとしている。政府は同指針の策定により賃金減少抑制は可能なると考えているのか。
高度プロフェッショナル制度では本人の同意と労使委員会の書面等の決議が要件とされており、対象者は自らが合意した職務を行う。また同制度において適用を受けた対象者が業務時間について指揮命令を受けることは想定されていない。
年収が高い人は労働条件などの交渉力があるので、高度プロフェッショナルに該当すると考えている。具体的な金額は、平均年収(3倍)や管理職年収(上位1/4)などを基に、1075万円としている。なお高度プロフェッショナル制度の対象業務については厚生労働省令で定めることとしており、現時点での回答は困難である。
高度プロフェッショナル制度の導入には、労使間の議決が必要となる。新労働基準法では、同議決に際し賃金減少を抑制する旨の指針が盛り込まれ、更に必要な助言や指導も行うとしている。これらの処置により、同制度の対象者の平均賃金の減少を抑制できると考えている。
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質問主意書名 : | 高度プロフェッショナル制度に係る諸論点に関する質問主意書 |
提出先 : | 参議院 |
提出国会回次 : | 196 |
提出番号 : | 157 |
提出日 : | 2018年6月29日 |
転送日 : | 2018年7月4日 |
答弁書受領日 : | 2018年7月10日 |