原発輸出に関する質問主意書

提出議員 : 宮川 伸

世界的に原発廃止の流れ広がる中、日立が英国アングルシー島への原発輸出を進めている。さらに、政府はその計画に債務保証をするとの報道もなされた。 島民の一部が計画への反対運動のために来日するなど地域住民の同意も得られていない可能性が高く、また輸出に伴い核物質が拡散する可能性もあり、また、福島の問題も依…

世界的に原発廃止の流れ広がる中、日立が英国アングルシー島への原発輸出を進めている。さらに、政府はその計画に債務保証をするとの報道もなされた。 島民の一部が計画への反対運動のために来日するなど地域住民の同意も得られていない可能性が高く、また輸出に伴い核物質が拡散する可能性もあり、また、福島の問題も依然として深刻な状況かでも政府は原発輸出を進めていくのだろうか。

  • 自国の被害者救済や復興も終わっておらず、さらに輸出先の地域住民が反対している状態で他国に原発を輸出することに倫理上の問題はないのか。 また輸出した原発から発生した使用済核燃料が輸出先の国で再処理される可能性はあるのか。 そもそも政府は抽出されたプルトニウムが輸出先の国で核兵器に使用されたり、第三国に輸出されたりしないことをどう担保するのか。

  • 日立製作所の原発輸出計画について、英国アングルシー島の地域住民に対して住民説明会やアンケート調査を行ったのか。 また、福島第一原発事故の被害の大きさからも、住民の避難計画は重要である。アングルシー島の避難計画の整備は行われているのか。

  • 日立製作所の原発輸出に関する以下の報道は事実か。

  • 日本政府が1兆円の債務保証をする

  • 政府系金融機関が約3千億円の融資を行う

  • 民間金融機関の出資に対し(株)日本貿易保険が債務保証をする

また政府系金融機関が資金回収できない場合、政府は税金で損失補填をするのか。 なお政府系金融機関は今までに1兆円を超える大型海外インフラプロジェクトに出資を行ったことはあるのか。

  • 政府は世界の原子力安全向上に貢献することが日本の責務と考えており、最高水準の安全性を有する原子力の技術提供を進めていく。 また各国で発生した使用済核燃料の再処理は当該国で判断されるため、政府として回答する立場にない。 なお、原子力資材等の輸出の際には2国間原子力協定を締結し、輸出国が第3国に輸出する場合協定で日本の同意を得ることとしている。

  • 英国アングルシー島への原発輸出は民間企業の活動であり、政府は回答する立場にない。また「 “住民の避難計画” の意味するところが必ずしも明らかではないが」※、原子力の安全に関する条約の第16条1において、締結国は緊急事態計画準備の確保のため、適当な措置をとることとしているが、「アングルシー島の避難計画」は英国で検討されるもので、政府は回答する立場にない。

  • 日立製作所の原発輸出に関する報道については以下のとおりである。

  • 現時点で日本政府による債務保証実施決定の事実はない

  • 現時点で政府は「政府系金融機関による約3千億円を融資」に関する具体的決定について承知していない

  • (株)日本貿易保険は日本の民間金融機関が行う出資に対して債務保証を行う業務を行っていない

また「政府系金融機関が資金回収できない場合」については、意味するところが明らかでなく回答は困難である。 なお政府系金融機関は1兆円を超える大型海外インフラプロジェクトとして、(株)国際協力銀行による豪州ウィーンストーンLNGプロジェクトに対する出資がある。

※ 原文を一部加工し引用しました。

まだコメントが投稿されていません。

 詳細情報

質問主意書名 :原発輸出に関する質問主意書 
提出先 :衆議院
提出国会回次 :196
提出番号 :410
提出日 :2018年6月27日
転送日 :2018年7月2日
答弁書受領日 :2018年7月6日

 関連するイシュー・タグ・コンテンツ