菅内閣官房長官の定例記者会見(以下、記者会見)では、特定記者に対する質問制限が行われている可能性がある。記者会見において「質問、簡潔にお願いします」、「質問に移ってください」と干渉しては記者を急かすなど、自由に質問できる環境とはいえない。この状況は、記者の質問権のみならず国民の知る権利をも侵害しか…
菅内閣官房長官の定例記者会見(以下、記者会見)では、特定記者に対する質問制限が行われている可能性がある。記者会見において「質問、簡潔にお願いします」、「質問に移ってください」と干渉しては記者を急かすなど、自由に質問できる環境とはいえない。この状況は、記者の質問権のみならず国民の知る権利をも侵害しかねないと考えられるが、政府はどのように考えているのだろうか。
記者会見中に質問制限は誰(以下、当該人物)が行っているのか。またその理由と目的は何で、何名の記者に対してそのような質問制限を行っているのか。これらの行為は国民の知る権利を侵害するものと考えられるが、安倍内閣としてどのように考えているのか。
内閣官房内閣広報室総理大臣官邸報道室長(以下、報道室長)が、内閣記者会の加盟社に対し、東京新聞記者に関する申し入れを行ったことはあるか。もしあるのならば、その理由は何か。また、これまで内閣の広報官は、特定の新聞社に対し、特定記者が所属する新聞社に質問の仕方などの指導を徹底するよう申し入れたことはあるのか。あるとすれば、どのような理由で何回行われたのか。
特定の記者に対して、報道室長あるいは広報官から特定の新聞社に対して行った「申し入れ」について、政府として問題意識はあるか。また、当該人物の行為は本人の判断によるものか、あるいは政府関係者の指示によるものか。菅官房長官は当該人物に対し、目配せなどで合図を送っているが、これにはどのような意味があるのか。
当記者会見では、内閣官房内閣広報室の上村総理大臣官邸報道室長が司会進行役を務めている。定例会見は内閣記者会会員社の記者であれば誰でも質問が可能であるが、司会者が自らの判断で、適宜質問回数を絞ったり、質問内容の簡素化を促することはある。もとより、政府が質問制限をする立場になく、またその意図もないため、あくまで円滑な進行のための協力の呼びかけに過ぎない。よって、国民の知る権利侵害にはあたらないと考えている。なお、これらの呼びかけ行為に関する記録はないため、細かい回数などをお答えするのは困難である。
東京新聞の特定記者が誤った事実認識に基づく質問を行った場合などに、内閣広報官が同社に対し、事実に基づかない質問は慎むよう協力をお願いする旨の申し入れを、類型で9回行った。それに対し、同社から適切指導する旨の回答を繰り返し得ている。内閣記者会に対しても同様の趣旨で協力要請を行った。
内閣記者会会員社である東京新聞の特定記者が、必ずしも簡潔とはいえない質問をしたことが少なからずあるため、司会者が協力の呼びかけを行ったことはある。菅長官の日程管理の観点から、やむを得ずこうした協力呼びかけを行うことは今後もあると考えられる。
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質問主意書名 : | 内閣官房長官の定例記者会見における特定の記者の質問を制限する発声等に関する質問主意書 |
提出先 : | 参議院 |
提出国会回次 : | 198 |
提出番号 : | 11 |
提出日 : | 2019年2月6日 |
転送日 : | 2019年2月12日 |
答弁書受領日 : | 2019年2月15日 |