年金の実質的な改定率の認識等に関する質問主意書

提出議員 : 山井 和則

安倍総理は2019年6月10日の参議院決算委員会で「今年度の年金は0.1%の増額改定」、「年金積立金運用も大きくプラスとなり、百年安心が確保された」との答弁を行った。 しかし、2019年度は年金額が0.1%増額された一方で、物価変動率は1.0%上昇しており、実質的には0.9%のマイナスと見るべきで…

安倍総理は2019年6月10日の参議院決算委員会で「今年度の年金は0.1%の増額改定」、「年金積立金運用も大きくプラスとなり、百年安心が確保された」との答弁を行った。 しかし、2019年度は年金額が0.1%増額された一方で、物価変動率は1.0%上昇しており、実質的には0.9%のマイナスと見るべきではないか。 また、積立金運用についても会計検査院から中長期のリスクについて指摘を受けている中で、「百年安心が確保された」と断定するのは不適切ではないか。

  • 2013年度から2018年度までの年金額改定率および年金額改定に用いる物価変動率は、どのように推移したか。年金額改定率から物価変動率を差しい引いた値について、政府はどのように考えているか。

  • 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による年金積立金の運用について、リーマンショック級の金融危機をはじめ、コントロールできない経済情勢に在りながら、 安倍総理の「百年安心ということが確保された」との発言は、国民の年金資産を預かる立場として不適切ではないか。

  • 会計検査院は2019年4月24日の報告書の中で、「GPIFはストレステストの結果などの中長期リスクについて業務概況書に継続して記載することが重要」との旨の記載を行っている。GPIFがこれまで実施したストレステストの内容と結果はどのようなものか。

  • 各年度の年金改定率と物価変動率は以下の通り。

年度   年金改定率  物価変動率
2019   0.1%   1.0%
2018   0.0%   0.5%
2017  ▲0.1%  ▲0.1%
2016   0.0%   0.8%
2015   0.9%   2.7%
2014  ▲0.7%   0.4%
2013   0.0%   0.0%
※ 2019年度は編集部にて加筆しました。

なお年金額改定率は、社会全体の公的年金制度を支える力に応じ、年金の給付水準を調整する仕組みの下で決まるものであり、年金額改定率から物価変動率を差しい引いた値について政府の見解を述べることは差し控える。

  • 年金積立金の運用は、専ら被保険者の利益のために長期的観点から、安全・効率的に行っている。2001年以降の厚生大臣による自主運用開始以降、実質的な利回りを確保していることもあり、「不適切」との批判は当たらない。

  • GPIFでは、ストレステストの内容と結果について、市場その他の民間活動に与える影響に留意し、その内容と結果については公表しないとしている。

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 詳細情報

質問主意書名 :年金の実質的な改定率の認識等に関する質問主意書 
提出先 :衆議院
提出国会回次 :198
提出番号 :229
提出日 :2019年6月14日
転送日 :2019年6月19日
答弁書受領日 :2019年6月25日

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