佐川前国税庁長官は国有財産行政の信頼を損なったとして処分された。菅官房長官や財務省が佐川氏の答弁は虚偽ではないとする一方、麻生財務大臣は当初の擁護の姿勢から一転し、財務省の調査結果公表後は佐川氏の責任について言及するようになった。佐川氏が虚偽の答弁を行っていないのであれば、佐川氏は何を根拠として処…
佐川前国税庁長官は国有財産行政の信頼を損なったとして処分された。菅官房長官や財務省が佐川氏の答弁は虚偽ではないとする一方、麻生財務大臣は当初の擁護の姿勢から一転し、財務省の調査結果公表後は佐川氏の責任について言及するようになった。佐川氏が虚偽の答弁を行っていないのであれば、佐川氏は何を根拠として処分されたのだろうか。また、監督責任者である麻生財務大臣に責任はないのだろうか。
国家公務員法では、懲戒処分を行う際には処分の事由を記載した説明書を交しなければならないとされている。本処分でも「説明書」は交付されたのか。また説明書には処分の根拠法令の記入が必要だが、菅官房長官の認識と麻生財務大臣の発言に整合性がない中、佐川氏が虚偽の答弁を行っていないとすれば処分には妥当性がなくなり、説明書へ根拠法令を記載できなくなるのではないか。
麻生財務大臣は「書き換えの一番トップはその時の担当者で、そんなに偉いところではない」、「最終的な決裁として、佐川が理財局長だった」と発言している。佐川氏は最終責任者として本処分を受けたのであって、具体的な「書き換え」の指示・作業には関与していない、ということなのか。
麻生財務大臣は財務省が調査結果を公表して以降、佐川氏を呼び捨てにしている。これはあたかも全ての責任が佐川氏にあるかの様な印象を国民に与えることにならないか。また麻生財務大臣の行政の長としての監督責任を指摘する声もある。麻生財務大臣は責任をとって財務大臣を辞任するべきではないか。
佐川前国税庁長官の懲戒処分には説明書が交付されている。本処分は、佐川前国税庁長官が理財局長時代に行った対応により国有財産行政への信頼が損なわれたので行われた。麻生財務大臣の発言はこのことを念頭に述べられたもので、菅官房長官の発言と整合性がないとはいえない。
決裁文書書き換えについては財務省で調査中であり、現時点では回答は困難である。また麻生大臣の発言は、書き換えはそれまでの国会答弁が誤解を受けないよう行われたことと、佐川氏が当時の理財局長であり、主として答弁を行っていたのも同氏であったことを述べたものである。
麻生財務大臣は通常財務職員の名前を敬称をつけずに呼んでおり、佐川前長官が在任中も敬称をつけていなかった。退任後もそれを継続したもので、責任を全ておしつける印象を与える、ということにはならない。 なお安倍内閣総理大臣は2018年3月12日の記者会見で、「全容解明のための調査を進め、麻生大臣にその責任を果たしてもらいたい」と述べている。
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質問主意書名 : | 国税庁長官への懲戒処分に関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 196 |
提出番号 : | 146 |
提出日 : | 2018年3月14日 |
転送日 : | 2018年3月19日 |
答弁書受領日 : | 2018年3月23日 |