ジェネリック医薬品の使用率について、政府は80%を目標に掲げている。しかし、医療費削減を名目に、ただ使用率を増加させるだけで健全かつ継続的なジェネリック医薬品の服用は可能となるのか。同じジェネリック医薬品が安定的に供給されるための環境整備についても、政府はもっと関心を払うべきではないのか。 ジ…
ジェネリック医薬品の使用率について、政府は80%を目標に掲げている。しかし、医療費削減を名目に、ただ使用率を増加させるだけで健全かつ継続的なジェネリック医薬品の服用は可能となるのか。同じジェネリック医薬品が安定的に供給されるための環境整備についても、政府はもっと関心を払うべきではないのか。
ジェネリック医薬品の製造販売を中止するジェネリック医薬品製造販売事業者(以下、事業者)が多いと言われる。製造販売中止の理由について、政府はどこまで把握しているのか。把握しているとすれば、どのようなケースが多いのか。
国による医薬品の供給状態の正確な把握は、服用患者の健康を守るために重要な課題である。厚生労働省は、2013年4月策定の「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」(以下、「ロードマップ」)にて、医薬品の製造が突然中止された事例を示し、安定供給の為の指導に取り組むとしているが、依然として製造が突然中止されるケースは継続している。政府はジェネリック医薬品の供給体制に問題があると認識しながらも、5年間対策らしい対策を講じていない。この問題に対処する具体的な施策の準備はあるのか。
「ロードマップ」では、薬の安定供給に支障が生じた場合、新規薬価収載希望書を受付けないことによる対処も示されているが、実際にこのような厳しい対応をした事例があるのか。ないのであれば、希望書の受付を拒否しない理由は何か。 また、「ロードマップ」では、事業者に対し「安定供給マニュアル」の作成を求めている。政府は事業者の同マニュアル作成状況をどの程度把握しているのか。把握しているのであれば、安定供給マニュアルを作成せず、かつ製造販売中止がやまない事業者に対し、希望書の受付を拒否するなど厳しい対処に出るべきではないのか。
事業者がジェネリック医薬品の製造販売を中止する理由については、事業者が厚生労働省に提出する「医療用医薬品供給停止品目の事前報告書」で把握している。それによると、後発医薬品の供給を停止する理由として多いのは、「需要の減少」である。
ジェネリック医薬品の安定供給に問題がある場合、厚生労働省が適切に指導することになる。具体的には、保険医療機関や薬局などから安定供給に関する苦情の出た事業者に対し、必要な調査や改善のための指導を行う。今後も同様の取り組みを継続していきたい。
「お尋ねの“厳しい対応”の意味するところが必ずしも明らかでないが※」、安定供給に問題がある事業者に対し厚生労働省が改善指導を行っても改善されない場合に、必要に応じて「希望書の受付拒否」を行うが、今のところ該当する事例がなく実施していない。 また、「安定供給マニュアル」の作成済の事業者については、厚生労働省が実施するアンケート調査で把握している。なお「ご指摘の “製造販売中止を繰り返す事業者” および “厳しい処分” の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが※」上記取り組みを続けることで、ジェネリック医薬品の安定かつ継続的な供給に努めたい。
※ 原文を一部加工し引用しました。
@TONOさん3号
2021/06/16
ジェネリックの供給停止の理由に需要の減少があるとしているが需要が減っているのであれば価格が下がるのではないか? それであれば医療費の削減へ繋がっているようになると思うのだがそうではないのだろうか? 最近ジェネリックを勧められる機会が増えて来ています。その方向に向いているのは確かです。ただ元々の価格を下げるようにはならないのだろうか。研究費の方へ国がお金を投入して(日本は驚くほど少ないらしい)安く開発できるような体制へ早急に転換して欲しい。
@restog
2020/12/12
ジェネリックの品質管理はとても重要な項目だと思うが、果たして政府が行うべきことなのだろうか。政府とは異なる期間がジェネリックの品質管理を一括で担っても良いのではないかと思う。
質問主意書名 : | ジェネリック医薬品の安定供給に関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 198 |
提出番号 : | 90 |
提出日 : | 2019年3月13日 |
転送日 : | 2019年3月18日 |
答弁書受領日 : | 2019年3月22日 |