陸上配備型のイージス・システム、いわゆるイージス・アショアは2基の導入が予定されている。導入によって日本全域をカバーする弾道ミサイルへの防衛網が構築され抑止力が向上する。また、イージス艦への負荷が低減することから、自衛隊の勤務体制が改善される。しかし、イージス・システムの導入については、システムお…
陸上配備型のイージス・システム、いわゆるイージス・アショアは2基の導入が予定されている。導入によって日本全域をカバーする弾道ミサイルへの防衛網が構築され抑止力が向上する。また、イージス艦への負荷が低減することから、自衛隊の勤務体制が改善される。しかし、イージス・システムの導入については、システムおよびレーダーの選定、費用そしてスケジュールについて懸念点が多い。
1基目のイージス・アショアが初期運用能力を取得する時期は何年度を見込んでいるのか。配備には迎撃試験が必要だが、ルーマニア(配備済)およびポーランド(2020年配備予定)に配備されるイージス・アショアがハワイにて行った成果を防衛省はどう評価しているのか。
イージス・アショアに用いるレーダーには、選定からもれたSPY-6が最終試験を経て2020年には配備されるとの報道がある中で、選定されたLMSSRは米軍の正式な開発段階には至っていない。あえて開発途上のものを選定した結果、スケジュールの遅延や想定した効果が得られなかった場合、防衛省はどう対処するつもりか。
LMSSRに防衛省は「経費面」で高い評価を与えている。低価格の実現には、量産効果が得られるだけの配備数が必要になる。量産には実射試験が必要であり、新たな試験施設をハワイに建設するとの報道もある。政府はLMSSRの導入予定国を政府は把握しているのか。試験施設の建設費用も調達経費に入っているのか。
イージス・アショアにはイージス・システムのソフトウェアに、1世代前の「ベースライン9」を採用するとのことだが、最新の「ベースライン10」をなぜ採用しないのか。米軍との連携を考慮すれば、「ベースライン10」の選定が合理的ではないのか。
イージス・アショアは2019年からの約5年間で本体およびLMSSRを製造し、性能確認などを行う予定である。運用開始時期については、米軍との調整の状況による為、見込を回答することが困難である。 なお、米軍が他国に配備するイージス・アショアの迎撃試験については、政府として評価する立場にない。
LMSSRは、SPY-6との「基本性能」、「後方支援」、「経費」に加え「納期」の観点も含めた分析と評価の結果、選定しており、あえて開発途上のものを選定してはいない。
また、スケジュールの遅延や想定効果については、仮定の質問であり、回答は差し控える。
なお、我が国以外にLMSSRを配備する国はないが、2020年にはLMSSRと同様の技術で製造されるレーダーであるLRDRがアラスカ州に配備予定である。
迎撃試験の費用については、イージス・システムの性能確認の方法を米国と協議しており、試験の実施を前提とする質問に回答する段階にはない。
まず、「ベースライン10」はいまだ開発中である。「ベースライン9」はLMSSRと合わせてロッキード・マーティン社から提案があり、基本性能などの評価の結果、LMSSRの性能を十分に発揮させることが「ベースライン9」で可能と見込んでいる。
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質問主意書名 : | イージス・アショアに関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 198 |
提出番号 : | 107 |
提出日 : | 2019年3月22日 |
転送日 : | 2019年3月27日 |
答弁書受領日 : | 2019年4月2日 |