厚生省は、年金の財政検証におけるモデル世帯を以下のように定義している。 モデル世帯:所得代替率の算出にあたりモデルとしている世帯。標準的なモデル世帯として平均的な男子賃金で40年間厚生年金に加入した夫と、40年間専業主婦の夫婦を想定している。 モデル世帯では、夫が厚生年金に、妻が基礎年金(…
厚生省は、年金の財政検証におけるモデル世帯を以下のように定義している。
モデル世帯:所得代替率の算出にあたりモデルとしている世帯。標準的なモデル世帯として平均的な男子賃金で40年間厚生年金に加入した夫と、40年間専業主婦の夫婦を想定している。
モデル世帯では、夫が厚生年金に、妻が基礎年金(国民年金)に加入しているが、このモデル世帯が将来受け取れる年金額が、果たして「所得代替率5割」を確保できるのかの検証が必要として以下質問をしている。
モデル世帯に該当する世帯数は何世帯あるのか。
麻生経済金融担当大臣は、金融審議会WGの報告書を「平均値を出すのは無理がある」として「不適切」とした。「平均値を出すのに無理がある」のであれば、「モデル世帯」を用いて算出する将来の年金受給額も「無理がある」ということにはならないか。
同報告書の原案にあった、公的年金の給付水準について「今までと同等と期待することは難しい」との記述が、公表時には削除された。この記述は、前回の年金財政検証(2014年6月3日公表)でのモデル世帯を用いた検証結果と同様の内容である。財政検証と同様の記述が何故報告書から削除されたのか。
年金の財政検証(前回は2014年に公表され、少なくとも5年ごとに作成することになっている)はいつ公表されるのか。来年の通常国会では、年金制度改正の関連法案が提出される予定であり、公表の遅れは法改正にも影響が生じるのではないか。
所得代替率は実在する特定の世帯に係るものを想定して算定しておらず、所得代替率の算定に用いる世帯の数を回答することは困難である。
報告書は、総務省家計調査の実収入と実支出の平均額の差に基づき、公的年金中心の生活では生活費が月5万円、30年で2000万円足りないとしたが、実際には高齢者の生活水準や働き方、収入、資産は多様であり、世間に著しい誤解と不安を与えた。政府の政策スタンスとも異なる為、政府は報告書を不適切とした。
なお、将来の年金受給額については、所得代替率の算定に用いる世帯数を把握していない旨回答した通りである。
報告書原案の「今までと同等と期待することは難しい」との記述は、給付水準についての期待に言及した客観的ではない記述であり削除されたものである。
現在、作成作業をしており、政府としても制度改正の議論に資する財政検証が重要と考えており、必要な検証作業が終わり次第、公表を予定している。
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質問主意書名 : | 年金財政検証に関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 198 |
提出番号 : | 287 |
提出日 : | 2019年6月21日 |
転送日 : | 2019年6月26日 |
答弁書受領日 : | 2019年7月5日 |