日本の機密情報がアメリカ中央情報局(CIA)により解読・収集されていたのだろうか。
米紙ワシントン・ポストによると、CIAは1960年代以降、各国で利用されている暗号化装置のメーカーである「クリプトAG社」を秘密裏に所有していた。
外交公電、機密情報の解読・収集の対象になった国は120か国にのぼるという。
政府が進める量子暗号通信技術の整備についても、海外の技術を導入するのであれば、結局は同じリスクにさらされることになる。
質 問
政府は、ワシントン・ポストの報道を把握しているか。また「スクリプトAG社」の暗号化装置を日本政府が導入した事実はあるか。
答 弁
「報道」については承知しているが、政府内で「クリプトAG社」の製品を利用した事実は今のところ確認されていない。
質 問
政府は、今後どのような分野に量子暗号通信を導入するのか。海外企業の技術を用いる場合、どのような措置で機密を保護するのか。
また、日本企業の量子暗号通信技術の国外への流出防止は、どのようにして防ぐのか。
答 弁
量子暗号通信の導入についての具体的な方針はまだ定めていない。
海外企業の量子暗号通信技術が調達対象になるのかも、現時点では判断しておらず回答は困難である。量子暗号に必要な技術を特定国に提供する者は、外為法で経産大臣の許可を受けることになる。引き続き同法に基づき厳格な管理を実施していく。
質 問
政府策定の「量子技術イノベーション戦略」では、量子技術において諸外国に大きな後れを取りかねない懸念が示された。
2020年度予算の17億円(研究開発予算)の用途と「産学官の総力を挙げた研究開発」の具体的内容は何か。
答 弁
量子暗号通信の長距離化、ネットワーク化、人工衛星の搭載等の実現を図るために民間企業等に委託し、研究開発を進めていく。
質 問
2019年度補正予算の79億円はどの様に使われるのか。
答 弁
2025年度までに「量子技術イノベーション拠点」を5拠点以上国内に整備することを目標としている。
また、民間企業の量子暗号通信装置の安全性や政府機関での量に十分な通信速度が得られるか、検証を行っていく。
質 問
2027年度までの実用化を目指す、衛星を利用した量子暗号通信の長距離化はどのような利点があるのか。
また同盟国である米国との活用が考えられるが、具体的にはどのような通信を想定しているのか。
答 弁
長距離間での高度化した秘匿通信が可能となることが利点であるが、今後具体的な活用の検討が進められるため、内容や相手についてはお答えできない。
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@westman
2020/06/03
日本ってこの辺が強いイメージがどうしても持てない。農耕民族の特性なのか、戦前・戦中から盗聴されっぱなしという印象が強いですね。
@replog_cham
2020/05/23
開発を請け負う企業とイノベーション拠点 にどこが選ばれるのか気になる。
質問主意書名 : | 日本の通信傍受対策の強化に関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 201 |
提出番号 : | 142 |
提出日 : | 2020年3月27日 |
転送日 : | 2020年4月1日 |
答弁書受領日 : | 2020年4月7日 |