福島第一原発で発生している汚染水(多核種除去設備等処理水、いわゆるALPS処理水)の処理については、海洋放出や水蒸気放出など様々な手段が検討されている。
経産省は、新型コロナウイルスの拡大を受けた緊急事態宣言後中にも拘わらず関係者を呼び出し、しかも東京電力なしで会議を開催するなど、性急かつ強引に手続きをすすめているようだ。
そもそもALPS処理水の放射性核種は基準値内に留まっているのか、ALPS処理では除去できないトリチウムの安全性に問題はないのかなど、海洋放出の拡散シミュレーションの結果については懸念事項が多く、その説明責任についても東京電力と経産省では意見が割れている状態だ。
ALPS処理水の海洋放出の拡散シミュレーションには多くの疑問点が指摘されている。拡散シミュレーションを含む検討素案について、東京電力は経産省との協議調整後に公表した点を認めている(4月8日)、一方で経産省は素案は未精査であり、説明責任は東京電力にあると超党派の議員連盟「原発ゼロの会」へ説明している(4月9日)。 両者の説明が矛盾しているが、そもそも拡散シミュレーションの作成は経産省と東京電力のどちらが提案したのか。説明責任は経産省にあるのではないのか。
御意見を伺う場の第1回、第2回ともに経産省が選んだ出席者のみで、東京電力の出席はなかった。また、東京電力の提出た資料についての説明も質疑もなかった。
汚染の当事者で説明責任のある東京電力に改めて出席を求め、双方向でコミュニケーションをとるべきではないのか。また経産省が参加者を公募しないのはなぜか。
経産省が検討している海洋放出や水蒸気放出、その他の代替案による影響の範囲は福島県内には止まらず、輸出についても日本全国の生産者に関係がある。
意見募集の期限(5月15日)を延期した上で、福島県の農林水産業組合の代表などとともに、他県や全国の生産者からも意見を聞くべきではないか。
この検討素案は東京電力ホールディングス株式会社(以下、東京電力)が作成したものであり、その内容は東京電力が説明すべきものである。
なお、同検討素案は「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」が2020年2月10日に公表した報告書を踏まえて、経済産業省が東京電力に対し、拡散シミュレーションを含むALPS処理水の処分方法の具体的・技術的な素案の提示を求めた結果である。
広く全国から意見を聴くことができるようにするため、書面での意見募集を行っている。
御意見を伺う場においても、報告書を踏まえてこれまで地元自治体や農林水産業者など幅広い関係者から意見を聴いており、今後も同様に意見聴取を行ってまいりたい。
福島県外からも意見を聴くこととしているが、具体的な対象者等は今後更に検討していく。
@タダフサ
2020/06/15
むしろ出来レースで足並みが「そろっているというべき」というのは深読みしすぎでしょうか。いずれにせよ、これを読む以上経産省の進め方は311の時からあまり変わっていないようですねえ。
質問主意書名 : | 東京電力福島第一原発の汚染水の海洋放出シミュレーションに関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 201 |
提出番号 : | 174 |
提出日 : | 2020年4月14日 |
転送日 : | 2020年4月20日 |
答弁書受領日 : | 2020年4月24日 |