安倍政権下での巨額な政府広告費は度々議論の的となっている。私たちの税金が有意義に使用されているか否かは、昨今のコロナ渦で国民にとって非常に大切な問題だ。
今回は、2020年度の政府広告費が倍増していることに焦点をあて莫大な政府広告費について考察する。
内閣府所管政府広報費の当初予算及び補正予算の合計額について、2001年度から2020年度の推移をグラフにまとめた。
2001年度から2009年度は80億円〜100億円でほぼ横ばい、2010年度から2013年度は一旦減額し40億円から60億円を行き来する。その後2015年度から当初予算は約85億円あたりで推移していたが、2020年度の当初予算約85億円、補正予算で約100億円が追加され、年間の予算は合計で約185億円となり例年のほぼ2倍にのぼっている。
青山議員はこの増額に疑問があるとしている。新型コロナウイルス対策に関わる増額が医療体制の整備や経済対策に用いる費用であれば納得がいくが、政府広告費が倍増する理由が不明瞭であると指摘。増額の背景、必要性、効果や具体的使途について政府は説明すべきとした。
政府は、新型コロナウイルス感染症対策において感染拡大防止や経済対策等の施策について大規模かつ長期間に広報するために必要な経費であったと説明。広報の効果については、テレビスポットやインターネット広告などの様々な手段で長期間にわたり施策について国民に広く周知できたと回答した。
政府広報費がどのように使用されているのかも重要な問題だ。 青山議員は政府広報費の放送諸費のうち、啓発広報費内のテレビスポットの単価額が増額されていることに疑問を呈した。
2011年度から2019年度までの概算要求は1億2123万4300円、2020年度は約5700万円増額され1億7886万4900円となっている。また、度々議論にのぼる政府と株式会社電通(以下、「電通」)との関係についても青山議員は言及。2020年度の政府広報費のうち電通への支払額、政府広報費の何%を占めるかについて回答を求めた。
これに対し政府は、テレビスポットの放送料金の単価は複数の事業者の価格情報を基に設定していると回答。電通への政府広報費の支払いについては、2020年6月17日時点で2020年度一般会計予算及び一般会計補正予算(第一号)で0円であり一般会計補正予算(第二号)の政府広報費は計上されていないと回答した。
政府広報とは内閣府が実施する広報および公聴活動であり、新聞・雑誌・テレビなどへの広告掲載やインターネットを使用した広報活動を指す。もし、国家予算を使用しながら特定の政党の施策を広めるような手段なっているようであれば大きな問題である。
青山議員は「与党に有利な政策がPRされているのではないか」と懸念を示した。偏った施策の広報は他の政党にとって不公平であり世論形成に大きな影響をに与えるため問題だと指摘しており、特定の政党の広報とならないようにするための運用および制度の決まりはあるのかを質問した。
これに対し、政府広報とは内閣府設置法に基づく内閣府の事務として政府の施策について背景、必要性および内容等を広く周知し国民の理解と協力を得ることを目的としている、と政府は説明。特定の政党の政策を広報することを目的としたものではないと回答した。
政府広報費が倍増したという事実を今回のように国民が知ったとする。このように金額があまりに莫大な時、どれだけの国民がその問題点を具体的に指摘することができるだろうか。自分たちの納めた血税がどのように使用されているのかは、昨今のコロナ渦のような非常事態においては切実な問題となる。しかし、予算分配について国民の声が直接影響を与えることはほとんどないのではないだろうか。
これは税金で作成されたのだろうか、と思いながらテレビCMを見ている人は恐らく少ない。政府がわかりやすく国民に説明すること、税金の使途について国民がもっと疑問や興味を持つことが国民が納得できる政治を実現するために非常に重要ではないかと考える。
<参考リンク>
@rolling893
2020/11/16
コロナ禍の非常時であるからこそ情報を伝えるのに費用がかさむのは当然。 ただケチを付けたいだけの質問に思えます。
@Beagle
2020/11/15
この倍増して使われたお金が何か国民のためになったのか、存分に検討していただきたい。
@kimuu
2020/11/11
質問主意書名 : | 令和二年度政府広報費予算の倍増に関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 201 |
提出番号 : | 266 |
提出日 : | 2020年6月12日 |
転送日 : | 2020年6月17日 |
答弁書受領日 : | 2020年6月26日 |