公文書等の管理の適正化の推進に関する法律案

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提出議員 :逢坂 誠二

2018年12月2日、立憲民主党や国民民主党などの野党が共同で、公文書等の管理の適正化の推進に関する法律案を提出した。この法案はまたの名を公文書記録管理院設置推進法案とも言う。森友学園の決裁文書改ざん問題などで明らかになった、政府のずさんな公文書管理体制の改善を目的に提出された法案である。今回は、公文書記録管理院設置推進法案の具体的な内容を見ていくことにする。

2018年12月2日、立憲民主党や国民民主党などの野党が共同で、公文書等の管理の適正化の推進に関する法律案を提出した。この法案は、またの名を公文書記録管理院設置推進法案とも言う。

森友学園の決裁文書改ざん問題などで明らかになった、政府のずさんな公文書管理体制の改善を目的に提出された法案である。今回は、公文書記録管理院設置推進法案の具体的な内容を見ていくことにする。


公文書記録管理院設置推進法案の目的や基本理念

年金保険料の記録が失われた「消えた年金」問題などを受けて、2011年に公文書管理法が制定し、ファイル管理簿の作成等、公文書の管理方法などを定めた。しかし、それ以降も森友学園の決裁文書改ざん問題や南スーダンPKOの日報の隠蔽・桜を見る会の名簿廃棄など、政府のずさんな公文書管理体制が立て続けに発覚し、大きな問題となった。

こうした状況を受けて、公文書管理の適正化の推進を集中的・総合的に行うために設けられたのが本法案だ。なお、公文書管理法については、別途で改正が進められている。本法案の基本理念は、国家の活動が国民に対して適切に説明されること、改ざんや隠蔽などの不正を防止するための適切な措置を実施するという点にある。


ポイント1:作成すべき文書の見直し

行政機関の活動に対する国民の適切な理解を促し、責任の所在を明確にするために、行政機関の職員が作成すべき文書の範囲に見直しをかけている。端的に言えば、行政文書の対象を広げるということだ。今回の法案で公文書に該当するとして明示化された文書は、以下の通りである。

①自己の執務の便宜のための記録や決裁を経ていない立案段階の記録 例)個人のメモ書き

②行政機関の内部または相互間における審議や検討に関する記録 例)打ち合わせ議事録

③職員以外の者と接触した場合における当該接触に関する記録 例)外部の者との面会記録

④意思決定に至らなかった事案に関する記録 例)決裁が下りず廃案とされた事案の内容や審議過程に関する記録

※ここでいう行政機関とは、主に国及び独立行政機関を指している

森友学園問題では個人のメモだとして、財務省が学園側に送ったファックスを公文書に該当しないと答弁したが、本法案が成立すれば、こうした主張はできなくなる。


ポイント2:公文書記録管理院の設置

公文書管理適正化の推進にかかる業務を司る公文書記録管理院という機関を、新たに内閣府に設置する。公文書記録管理院では、以下の業務を担うとされる。

  1. 公文書等の管理に関する基本的な政策の企画・立案・推進にかかる事務
  2. 各行政機関の公文書等の管理に関する業務の実施状況の評価・監視にかかる事務
  3. 歴史公文書等(歴史的に意義ある公文書として国立公文書館に移管された文章)の保存・利用・調査研究に関する事務

ここでいう行政文書等とは「行政文書」「法人文書」「特定歴史公文書等」の3つを指す。行政文書(法人文書)とは、行政機関(独立行政法人)の職員が職務上作成・取得した文書であり、当該行政機関が組織的に用いるために保有するものと定義されている。

公文書記録管理院は、各行政機関の長に対して、公文書管理に関する勧告を行うことができる。また、公文書関係法令の制定に関して意見の申出を行うことも可能だ。


ポイント3:専門的人材の教育・確保

公文書管理に関する専門的知識を有する人材の確保のため、公文書管理に関する教育・研究・普及のための活動を推進するとしている。本法案で述べられているのは、この点だけであり、具体的にどのような活動を行うか等に関しては明らかになっていない。


ポイント4:本法案に基づく法制上の措置

本法案はあくまでも基本法であり、具体的な規制は別途、法律を策定し規制することになる。ただ、法制上の措置の手続き等に関しては、本法案でも規定している。法制上の措置は、本法案の成立後2年以内に講じなければいけない。

まず、法令上の措置に関する調査や審議、内閣総理大臣へ意見の申出などを行う公文書等管理審議会を内閣府に設置する。何らかの法制上の措置を実施する場合、事前に公文書管理審議会の意見を聞く必要があるのだ。委員会の会長や委員は、学識経験者から両議員の選任を受け選出される決まりだ。審議の過程・審議に用いられる資料などは全て公表しなければならない。

また、政府は、本法案の施行後1年以内を目途に法制上の措置に関する検討状況の報告書を内閣に提出しなければいけない。上記以外でも、国会が求めるならば、記録の提出が義務付けられている。


公文書記録管理院設置推進法案のまとめ

以上が本法案の具体的な内容である。まとめると、以下の4つだ。

  • 公文書の範囲の見直し
  • 公文書記録管理院の設置
  • 専門的人材の育成・確保の義務化
  • 公文書等管理審議会の設置

基本法なので具体化されていない点はあるが、本法案が可決・施行されれば、作成すべき文書の対象が拡大し、公文書の管理を担う機関が新たに設置されることになる。公文書管理の適正化に大きく寄与する可能性は高い。

最新の賛成コメント

@restog

2021/05/21

公文書記録管理院を置いたり公文書を管理する専門家を育成することは良いことだと思った。適切かつ公平な政治を実現するために必要なことだと感じた。

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@restog

2021/05/21

公文書記録管理院を置いたり公文書を管理する専門家を育成することは良いことだと思った。適切かつ公平な政治を実現するために必要なことだと感じた。

@kimuu

2020/09/10

「個人のメモだ」という言い訳が通じないように、公文書管理を徹底するための法律を整えるべき。この法案のきっかけとなった、モリカケ・桜を見る会についても、安倍政権が終わっても追及は続けてほしい。

 詳細情報

議案件名 :公文書等の管理の適正化の推進に関する法律案 
提出国会回次 :197
議案番号 :11
議案種類 :衆法
提出議員 : 逢坂 誠二
提出日 :2018年12月5日
公布日 :
法律番号 :