辺野古新基地建設海域における大型サンゴの移植に関する質問主意書

提出議員 : 糸数 慶子

米軍新基地建設のための名護市辺野古の埋立予定海域ではこれまでも移植による保護が必要な大型サンゴの生息が指摘されているが、政府はそれを否定し埋立てを強行に進めている。 2018年6月16日に当該地区に2つの大型サンゴの群体が存在する可能性があると朝日新聞が新たに報じた。大型サンゴは存在しないとしてき…

米軍新基地建設のための名護市辺野古の埋立予定海域ではこれまでも移植による保護が必要な大型サンゴの生息が指摘されているが、政府はそれを否定し埋立てを強行に進めている。
2018年6月16日に当該地区に2つの大型サンゴの群体が存在する可能性があると朝日新聞が新たに報じた。大型サンゴは存在しないとしてきた沖縄防衛局の見解と祖語が生じるようにも思える中、政府の辺野古沖での海洋生物の調査について疑問の声が上がっている。

  • 埋立て海域でのサンゴの保護対策への政府の方針はどのようなものなのか。また、サンゴの保護を判断する基準や根拠は何か。  
  • 大型サンゴ生息の可能性がある以上、政府は埋立て海域の再調査を行い、それによって何らかの保護対策を行うべきではないか。そもそも専門家が指摘したように、政府が行ったサンゴの生息状況の調査自体がずさんだったのではないか。

  • 防衛省は2018年6月19日の委員会で、これまでの調査では当該海域で移植対象のサンゴ類は確認されていない旨答弁している。政府が行ったサンゴの生息状況に関する調査の日時、地点、方法および結果はどうなっているのか。

  • 政府のサンゴ保護対策は、2013年3月22日に沖縄防衛局が沖縄県知事に提出した環境保全図書に従い、可能な限りの移植とその後の生息状況の調査を行うとしている。サンゴの移植に関する基本的な考えは、2015年4月9日(環境監視等委員会)に下記基準の説明を行っている。
    なお環境省は2017年9月27日(環境監視等委員会)に、環境省版海洋生物レッドリストに掲載されたサンゴ類は同基準に該当しなくともできる限り移植するよう努める旨の説明を行っている。

  • 移植・移築元の範囲は、普天間飛行場代替施設本体の設置に伴う改変杭区域内のうち、サンゴ類の人力採取が可能な水深20メートル以浅の範囲

  • 移植・移築の対象サンゴ類は小型サンゴ類は総被度5%以上で0.2ヘクタール以上の分布域の中にある長径10センチいじょう、大型サンゴ類は長径1メートル以上

  • 移植・移築先は環境保全図書で提案している範囲が対象で、水深、底質等の環境条件により決定する

  • 移植・移築方法はサンゴ類へのストレスが少ない方法を選定する

  • 環境保全措置の効果確認のため、モニタリング調査を行う

  • 沖縄防衛局が行った2018年6月8日および25日の確認調査で、「2つの大型サンゴの群体」は移植・移築対象サンゴ類には当たらないことが確認されている。 「お尋ねの “専門家” 及び “指摘” の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが※」、埋立区域内のサンゴ類については沖縄防衛局が適切に調査を行っている。

  • 「お尋ねの “サンゴの生息状況に関する調査” の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが※」、沖縄防衛局は2007年度以降毎年埋立区域内や周辺海域で潜水目視調査等を行ってサンゴ類の生息状況を適切に把握している。

※ 原文を一部引用し加工しました。

@restog

2020/11/27

政府には何を根拠にしてサンゴ礁がないとコメントしたのか、しっかりと説明する責任があると感じた。適当にサンゴが存在しないと言っているのであれば、しっかりとした調査を求める。

 詳細情報

質問主意書名 :辺野古新基地建設海域における大型サンゴの移植に関する質問主意書 
提出先 :参議院
提出国会回次 :196
提出番号 :165
提出日 :2018年7月6日
転送日 :2018年7月11日
答弁書受領日 :2018年7月17日

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