IR汚職にコロナによる景気後退。それでもIR整備か? 国土交通省が進めるカジノを含むIRの整備は、IR整備法に基づく「基本方針」の決定すらできない事態に陥っている。 その発端はIR利権をめぐる国会議員の逮捕だが、その後の新型コロナウイルスの発生で、そもそも収益性が疑問視され国民の支持も低いIRの整…
国土交通省が進めるカジノを含むIRの整備は、IR整備法に基づく「基本方針」の決定すらできない事態に陥っている。
その発端はIR利権をめぐる国会議員の逮捕だが、その後の新型コロナウイルスの発生で、そもそも収益性が疑問視され国民の支持も低いIRの整備を取り巻く状況は、中止も視野に入れた再検討が必要なほど悪化していると言わざるを得ない。
少なくとも、国土交通省は、新型コロナウイルスの流行で露見した、当初にはなかった様々なリスクへの対応案を基本計画に含めるべきである。間違っても、カジノ事業の赤字を自治体が負担するようなことは認めてはいけないだろう。
質 問
国土交通省は基本方針案についてのパブリックコメントを昨年行ったが、新型コロナウイルスの影響を考え、再度パブリックコメントを行い国民の賛意を確認すべきではないか。
答 弁
IR整備法で規定する基本方針は、昨年のパブリックコメント、国会での議論、カジノ管理委員会の意見など踏まえ、現在具体的な内容を検討中である。
質 問
複数の自治体は、既に基本方針案に従った計画の準備を進めている。
国道交通省は、各自治体の計画が、新たなパブリックコメントを反映した基本方針案に沿うように、徹底すべきではないか。
答 弁
各自治体はIR整備法に基づき認定の申請準備を進めていると理解している。
質 問
赤羽国交大臣は、4月13日に区域整備計画の認定申請期間(2021年1月~7月)の延長について「自治体からは(今の期間で)支障がないと聞いている」旨答弁した。
しかし、大阪府と大阪市(大阪・夢洲地区)は、提案審査書類の提出期限を3か月延長し、横浜市も実施方針の公表を8月に2か月延長した。
このような自治体の状況を受けても、認定申請期間の延長が本当に不要だと考えているのか。
答 弁
区域認定審査計画の認定審査期間案は、2019年9月の調査で観光庁が区域整備計画の認定申請を予定または検討している都道府県等からヒアリングを行った上で作成した。
現時点において都道府県等から変更の要望は受けていない。
質 問
米国では新型コロナウイルスの影響で9割以上のカジノが閉鎖された。感染症に対する事業の脆弱性は明らかである。
収益をカジノに頼る以上、国道交通省はこのような事態に対する事業継続計画などの策定義務を、基本方針に含めるべきではないか。
答 弁
感染症対策を含む安全確保については、その内容を基本方針に盛り込むことを検討している。
また、業績の下振れした場合にも対応でき、事業の安定的な経営が可能か否かについては、設置運営事業等の審査を厳正に行う予定である。
質 問
「感染症や自然災害などを含むいかなる事態」であっても、結果的に経営難や赤字になった事業者に対し、自治体が税金を投じて救済することを基本方針で禁止するべきではないか。
答 弁
経営難や赤字になった場合でも、運営事業者等が自ら経営改善を図ることが基本であり、感染症や自然災害などの事態への対応についても、認定都道府県等と運営事業者等とが十分に協議した上で決めるべきと考えている。
@westman
2020/06/11
横浜市は米国のサンズが撤退してしまった。コロナで状況が大幅に変わった訳で、当然計画を見直すべきですが、一度走り出したら止まらないのが国の政策。それがここでも繰り返されるんでしょうか。
質問主意書名 : | カジノを含む観光政策の見直しに関する質問主意書 |
提出先 : | 衆議院 |
提出国会回次 : | 201 |
提出番号 : | 176 |
提出日 : | 2020年4月17日 |
転送日 : | 2020年4月22日 |
答弁書受領日 : | 2020年4月28日 |