【随時更新】2021年通常国会提出予定法案 まとめ(第204回国会)

次回行われる通常国会「第204国会」は、1月18日に召集予定です。この国会で提出予定の法案や改正法案が、報道により続々と明らかになっています。新型コロナウイルス対策の実効性を担保するための特別措置法や、行政のデジタル化に向けた関連法案などが提出される見通しです。

今回は、提出予定法案の概要をわかりやすくまとめました。どのようなテーマが議論されるのか、チェックしてみましょう。


菅内閣の注目政策

デジタル改革
全世代型社会保障改革
  • 後期高齢者医療制度 改正法案
    医療費の窓口負担が1割から2割になる。該当者は以下の通り。
    ①年収200万以上で、一人暮らしの75歳以上
    ②世帯年収が320万以上で、夫婦ともに75歳以上

  • 児童手当制度 改正法案
    児童手当の支給方針
    現在:夫婦のうち高い方の年収が
    960万以下→児童手当(月1~1万5000円)
    960万以上→特例給付(月5000円)
    改正法案:夫婦のうち高い方の年収が
    1200万以上→特例給付なし

  • 育児・介護休業法 改正法案
     -企業が育休対象者に取得を個別に働きかけることを義務づけ
     -最大4週間の休みを2回に分けて取得できる「男性育休」制度を新設
     -雇用期間1年未満でも育児休業を取得できる
    など

  • 医療法 改正法案
     -医師の働き方改革
    (医師の健康確保措置を医療機関に義務付け)
     -都道府県が定期的に作成している医療計画に感染症への対応を追加
    など


社会
  • コロナ対策特別措置法 改正法案 (成立)
    緊急事態宣言下の休業命令に応じなかった事業者に対して
    現在:罰則なし
    改正法案:「過料」を科すなどの罰則を設ける

  • 著作権法 改正法案
    図書館の書籍や資料の一部分のコピー
    現在:館内で複写し、手渡しや郵送で提供
    改正法案:データをメールで提供

  • 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法
    人口減少が著しく、財政力の低い市町村を過疎地域に指定し、財政支援を行う

  • 少年法 改正法案
    ①18、19歳による犯罪の検察官送致(※)対象
    現在:殺人罪など、故意に人を死亡させた場合のみ
    改正法案:罰則が1年以上の懲役、禁錮にあたる罪も対象に含む
    ※検察官送致:保護処分ではなく、成人と同じように刑事裁判にかけられること
    ②本名や顔写真の報道
    現在:20歳未満の実名や顔写真の報道禁止
    改正法案:18、19歳は起訴(略式は除く)された段階で解禁

  • プロバイダー責任制限法 改正法案
    ネット上で誹謗中傷を受けた被害者による投稿者開示請求
    現在:書き込みのあったサイトとプロバイダーそれぞれに法的手続きが必要
    改正法案:1回の法的手続きだけで可能

  • 銃刀法 改正法案
    ボーガンの規制
    現在:銃刀法の規制対象外
    改正法案:規制対象。所持を許可制にする、用途を限定する、許可書がなければ購入できないなど

  • 航空法 改正法案
    ドローン使用に関する規定
    現在:操縦にあたり、資格、免許などは不要。場所によっては飛行禁止。
    改正法案:免許制度、機体認証制度を導入。免許保有者が認証済ドローンを使用する場合に限り、現在禁止されているエリアでの操縦を可能にする。

  • 放送法 改正法案
    受信料引き下げに、一般企業の「内部留保」にあたる「繰越剰余金」を活用。不当に支払いを逃れる人に対し、割増金を課す制度を導入。

教育
  • 義務教育標準法 改正法案
    公立小学校の全学年の学級規模
    現在:40人(小1のみ35人)
    改正法案:35人以下

  • 子どもの性被害防止法案
    保育士と教員が18歳未満の未成年者に性犯罪をした場合、禁錮以上の刑を受けた者は最長10年、罰金刑は5年、子供に関わる職場で働くことができない。

福祉
  • 収入が少ない子育て世代に臨時の給付金を支給する法案
    対象:住民税が非課税となっている子育て世代
    金額:子どもが1人の場合は5万円、2人以上の場合は第2子以降3万円ずつ加算する

  • 障害者差別解消法 改正法案
    民間事業者による障害者への合理的配慮※
    現在:努力義務
    改正法案:義務
    ※合理的配慮:障害者が具体的な生活場面で直面する障壁を、対話を通して排除すること

  • 特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法 改正法案
    B型肝炎ウイルスに感染した者に対する感染者給付金、訴訟手当金の請求期限を延長

環境
  • 地球温暖化対策推進法 改正法案
    政府による事業者ごとのCO2排出量開示
    現在:請求があった場合にのみ開示できる
    改正法案:請求がなくても公表できる

  • プラスチック法案
    環境に優しい製品設計の認定制度創設 事業者に使い捨てプラスチックの削減を求める(有料化なども検討)

6 件のいいね    0 件のコメント

@restog

2021/05/22

生活に密接することが多いのはいい事だと思う。一覧で現在と改正案が示されていてとても分かりやすかった。

@だるばーど

2021/05/07

こうして整理されるとわかりやすいですね。義務教育標準法の改正には賛成です。早く全学年で35人学級を実現してほしいです。

@もも

2021/03/16

少しづつ、国民が暮らしやすくなるよう工夫がされているなと感じます。デジタル改革全般、福祉全般は特に改善されていっていると思います。児童手当制度や、最近話題になっているプラスチック法案など、反対の声も大きいものについては今後どうなっていくのか気になります。

@TONOさん3号

2021/01/24

コロナ禍の中でも色々審議はされているのですね。報道ではコロナ一色なのでみんなに知らせて欲しい。少年法も少しずつ改正されて良い方向に向いて行くことに期待します。マイナンバーも面倒な手続きが必要ないように上手く使って行って欲しいです。行政からの細かいお知らせ郵便物が多く届きます。上手く運用すれば減らせるのではと思います。

@ichi369

2021/01/14

法案を一覧で確認できて助かります。 気になるのは「マイナンバーと預貯金口座の連結義務化」です。詳細な法案内容は見ていないのですが、義務化する必要性が理解できません。どうしても国民の金の流れを掴もうとしていると勘繰ってしまいます。必要な人のみ連結できる選択制にしてもらいたいと思います。

@kimuu

2021/01/14

一覧で解説してもらえると見やすい! 児童手当制度改正法案には反対しています。子育て世代にはやたらと厳しい菅内閣ですね。


人気
















人気記事をもっと見る...